2010年6月8日火曜日

まほうのたいこ









「まほうのたいこ」(うちだりさこ/文 シェイマ・ソイダン/絵 福音館書店 2000)

北国のある村に、女の子が、おじいさんとおばあさんと暮らしていました。ある夏の日、村の女の子たちは連れだって食べられる根っこを掘りにツンドラへいきました。せっせと草を抜いたり、掘ったりしているうちに、女の子はいつのまにか仲間からはなれて、ひとり遠くまできてしまいました。そのうち濃い霧がたちこめ、友だちをさがして疲れきった女の子は、地面にあいた大きな穴をみつけると、なかにもぐりこみ、泣きながら眠りこんでしまいました。

女の子が気がつくと、そばにみたこともない女のひとがいます。穴の奥には食べ物がたくさんあり、女の子はそこで女のひとと暮らしはじめます。ときどきさみしくなって、家に帰りたくなる女の子に、ある日、女のひとはこういいます。「安心して、帰れるわ。わたしはもうすぐ春まで眠るの。そのまえにうちまで送ってあげましょう」。そして、魔法のタイコのつかいかたを女の子に教え、そのタイコを女の子にあげて、女のひとは村まで女の子を送ります。

シベリアの昔話をもとにした絵本です。後半は、女の子がみんなの前で魔法のタイコをつかう話へと続きます。神秘的な、色鮮やかな絵が、物語によくあっています。小学校低学年向き。

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